「しみ」には、医学的にいろいろな病態があり、そえぞれ治療の方法は違ってきます。
肝斑
脂漏性角化症
老人性色素沈着症
診断のうえで、レーザー治療をはじめ、ケミカルピーリング、トレチノイン・ハイドロキノン、内服薬、を用いた適切な治療方法を御提案いたします。
当院では、ロングパルスアレキサンドライトレーザー(GentleLASE)により、皮膚の色素性病変に対する治療を行っています。また、この機器は、厚生労働省の認可を取得しており、日本で正規の医療器として導入できる脱毛器械です。
レーザーを照射した後のしみの部分は、目立たなく薄いかさぶたとなり、1週間程度で自然にはがれ落ちてきます。
その間、肌に刺激を与えないよう、軟膏治療を行います。
はじかれる程度の痛みですが、場合によっては、表面に麻酔の薬を塗らせていただき、30分程度経過してから照射することもあります。
お化粧は、種類によっては刺激が強いものもありますので、気にされる方はご相談ください。レーザー治療後の肌は、紫外線の影響を受け、メラニンの増殖を起こしやすくなっています。そのため、日焼け止めを塗るなどの紫外線予防も大切です。
肝斑は、保険適応で処方できる「ビタミンC」と「トラネキサム酸」の内服で、徐々に改善します。
保険外診療となりますが、「ケミカルピーリング」や「ハイドロキノン」、「トレチノイン療法」を組み合わせることによって、皮膚の代謝を活発に保つことができ、治療効果が上がります。
これらの治療は治療の効果を詳しく御説明いたしますので、プログラムに従って治療を進めていくようにしましょう。ケミカルピーリングは、ニキビや過剰な皮脂、くすみや小じわの治療に対しても行っています。
また、ホームケアとして行うことができる「医療用メディカルピーリング」をご紹介いたします。化粧品とは異なり、肌の治療として使用していただくため、使用法を詳しくお話させていただいてからご提供させていただきます。
肌の手入れは日ごろのメンテナンスが大切で、楽しみながら手入れを行えるように、スタッフみんなで御相談をさせていただいています。
最後に、紫外線と皮膚の関係についてお話したいと思います。 最近、太陽の紫外線が問題とされるようになってきたのは、紫外線と皮膚がんの関係が明らかになってきたからです。研究結果の主な内容は、紫外線が多い地域に住む人ほど皮膚がんになりやすい、太陽光線をたくさん浴びる環境で仕事をしている人ほど皮膚がんになりやすい、メラニン色素の少ない人ほど皮膚がんになりやすい、といったものです。
子どもの頃に浴びた紫外線が、将来の皮膚ガン(悪性黒色腫、有棘細胞がん、基底細胞がんなど)発症に関連していることは、疫学調査から明らかになっています。こういったことから、母子健康手帳から「日光浴をしていますか」という文言が1998年4月から削除されています。
いまだに、日光浴は健康によいことと思いこんでいる大人、特に高齢の祖父母が多いのも事実です。わざわざ日光浴をさせる必要はありません。
紫外線による障害は皮膚がんばかりではありません。アレルギーや老化と関係していることもわかってきました。日焼けは急激に現れる紫外線の障害のひとつです。赤くなったり、ひどいときには水ぶくれになったりします。これは、紫外線によって皮膚に炎症が起こった状態です。この炎症はやがて治りますが、細胞の中で遺伝子に小さな傷が残ることがあります。この遺伝子のわずかな障害がずっとずっと後で皮膚がんの原因になるかもしれないのです。
強い日焼けを繰り返しているとそれだけ皮膚がんの可能性も高くなるというわけです。日光を慢性的に浴びた結果生じる皮膚のシミ、シワといった老化現象を「光老化」と呼んでいます。健康な人では、20歳を過ぎた頃からシミが出はじめますが、紫外線による遺伝子の傷が正しく修復されなかった結果、発症すると考えられています。
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