ほくろと粉瘤は、皮膚科で最も多く見かける皮膚のできものです。特にほくろは、さまざまな顔をしています。ほくろのような顔をしていても、まれに悪性のものもありますので、きちんとした診断をしてから治療法をご説明いたします。手術の場合には、できるだけ小さく、目立たない傷痕になるよう、形成外科のあらゆる工夫をしています。
ほくろ除去の場合は、再び出てこないようにすることと、悪性でないことを確認することが大切です。同じように大切なことは、傷あとを目立たないようにすることです。それにはいくつかの方法があります。
1つめは、皮膚とともにほくろを含めて紡錘形に切除し、形成外科の技術で傷を縫いよせる方法です。1週間で傷は治り、傷あとはしわの方向と一致するので、目立たない線になります。
2つめは、ほくろをぎりぎりで円形に切除し、皮膚の深い部分までくりぬくように切除する方法です。くりぬき法と呼ばれていますが、傷は縫わずに、自然に縮んでふさがるのを待つ方法です。線ではなく、円形の目立たない傷あとになりますので、場所と大きさによってはこちらの方法が適しています。しかし、わずかですが、くぼみが残ったり、ほくろが再発する可能性があります。レーザーでほくろを除去する方法もありますが、基本的には、くりぬき法とまったく同じです。
粉瘤とは、簡単に言えば「垢(あか)のたまった皮膚の袋」ということになります。にきびの痕、傷痕などが原因で、皮膚の表面に凹みが生じ、垢が出られなくなって袋のように大きくなってきたものです。不潔だからできるわけではありません。問題は、自然になくならず、菌が入って化膿する可能性があることです。そのため、小さいうちに手術できれいに切除できれば安心です。化膿した場合には、にきびがひどくなったようになり、切開して膿を出さなくてはならなくなります。
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